年末年始
飲み会以降、私はずっとヤイさんの事を考えていた。
私に優しかったのは私の事が気になるから?
頭の中はこればっかりだった。
恋に恋する。本当にその通り。
恋に恋をして勝手に盛り上がる。
連絡先交換はしていなかったのでただあの日の飲み会の事を毎日思い出しては私の事が好きなんじゃ…と考えていた。
本当におバカさん。
年明けの最初の仕事の日。久しぶりにヤイさんに会った。
あの日のお礼をしなくてはとずっと思っていた。
でも公私混同はいけない。あくまでも仕事先の人なんだから。
私はこの前はご馳走様でした。楽しかったです。と言った。
ヤイさんの返事は覚えていないけど照れ笑いをしていた気がする。
その後ヤイさんと飲み会の話をする事があった。
ヤイさんはよく忘れる。覚えていない事があると言っていた。多分重要ではない事は覚えないんでしょう。
あの日分かったヤイさんが歌ったうたがすごく良くて自分でも聞くようになったと言ったら、歌った事を忘れていた。
ショックだった。ヤイさんはあの日の飲み会の事を覚えていないんだと。
勝手にのめり込んでいるのは私だけ。
気になってるのは私だけなんだと思った。